【鯖江 地方活性化】まちづくり成功例を東大生徹底解説~前編~

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福井で1番盛り上がってる「まち」と言えば、「鯖江」を挙げる方は多いのでは?

福井県のイメージは??と聞くと「メガネ!」「鯖江!」と答える方は多い印象があります。

中学校や高校の社会科でも取り上げられますからね!

(引用)

現在、鯖江はメガネだけじゃなくて、話題の「JK課」やデータシティ推進など時代の最先端を走ってるまちとして注目されているんです!

福井県の中でも最も地域活性化が進んだ自治体ではないでしょうか。

今回は、福井出身の現役東大生が、「地方創生」に関する講義を受講したり、

実際に鯖江の関係者の方にお話を聞いた経験を基に、

鯖江のまちづくりについて、3回に渡って徹底解説したいと思います!

前編は、鯖江の基幹産業である眼鏡産業に関するまちづくりについて。
中編は、ユニークな市長が行った話題のまちづくり改革について。
後編は、まち全体が盛り上がるイベントについて。

それぞれ解説していくので、おたのしみに!

 

はじめに

 

今回は、第1弾ということで、鯖江の中核産業である眼鏡産業を中心としたまちづくりについて解説していきます!

地方活性化」や「地方創生」について議論が活発になる時代ですが、地方には様々な課題があります。

その中の一つが、高度経済成長期にまち発展の中心となった基幹産業の衰退により、まちの活気がなくなっていくという課題です。

鯖江も、地場産業としての眼鏡産業で発展したまちで、グローバル化の波に飲まれて、一時期、産業が衰退しました。

 

しかし、今では再び、活気ある「ものづくりのまち」として発展しています。

地方共通のこの難題を鯖江はどう乗り越えたのか、「地方活性化」「地方創生」のロールモデルになる事例を見ていきましょう!

 

鯖江市の概要

まず鯖江市について基本的な情報を整理しましょう!

鯖江市は福井県のほぼ中央に位置する市であり、人口は69037人(平成27年)となっています!

(引用)

鯖江市は戦前から興った眼鏡産業を核として戦後まちづくりが進められた都市で、

眼鏡フレームの国内シェアはなんと現在約96%です!

鯖江のデータ

平成22年の統計によると、

・第一次産業従事者580人
・第二次産業従事者が13625人(そのうち製造業11301人)
・第三次産業従事者19452人
全従事者に占める第二次産業従事者の割合は約4割
平成23年度の鯖江市の製造品出荷額15717822(万円)
眼鏡の製造品出荷額は5398115(万円)
眼鏡の製造品出荷額は全体製造品出荷額の約34%

 

また全産業従事者のうち製造業従事者が占める割合は33%であり、

同年度の全国の製造業従事者の全体での割合が16.1%(国勢調査)です。

このことからも鯖江市は製造業が盛んで、特に眼鏡産業が産業の中核であることが分かります。

 

 伝統産業・眼鏡産業中心のまちづくり~明治から高度経済成長~

なぜ鯖江でメガネ?

 

明治時代に勃興した眼鏡産業は企業間分業を特徴として、戦後高度経済成長の波に乗り、

またチタンフレームや形状記憶合金フレームの開発成功といった高い技術力を生かして世界有数の眼鏡産地へと成長しました。

そもそも、なぜ鯖江で眼鏡産業が盛んなのでしょうか??

福井県は日本海側の気候であり、農閑期の冬は降雨降雪が多いので、農閑期の副業としてメガネ産業は興りました!

1905年(明治38年)に富豪の増永五左衛門は農閑期の副業として、屋内労働が可能な眼鏡枠作りに着目して、

当時眼鏡作りが盛んな大阪や東京から眼鏡枠職人を招き、工場を建設しました。

(引用)

そして地元の人間に眼鏡の製造技術を習得させ人材育成に努めたことが鯖江での眼鏡産業の始まりです。

 

鯖江の眼鏡産業の特徴

現在の鯖江の眼鏡産業の特徴は、

  1. 企業間分業により生産体制が構築されている
  2. チタンフレームや形状記憶合金フレームなどの開発といった高い技術力

(引用)

戦後は高度成長期の波に乗り、世界有数の眼鏡産地へと産業は成長しました。

 

眼鏡産業の低迷から復活まで

 

中国の台頭、国際競争力の低下

しかし高度経済成長後、グローバル化による海外の安価な労働市場の台頭は、鯖江市の眼鏡産業にも打撃を与えました。

1992年より生産量が落ち込み出荷額や生産者、眼鏡産業関連事業所の数も減少。

特に低価格での眼鏡フレーム製造を強みとした中国に企業の発注が流れ、

大半を受注生産で眼鏡を製造してきた鯖江は大打撃を受けました。

(引用)

 

ものづくりで高品質な製品を製造することに長けていている鯖江の弱点は、

OEMやODM(受注生産が主)といった形のため、

鯖江を前面に押し出すことはなく、ブランドの宣伝や独自での販路の開拓を行っていなかったことでした。

国際競争力をどう高めるかという地域の主幹産業が直面したグローバル化の課題に、民間と自治体が相互に連携して、

グローバル化への対策
  1. 鯖江オリジナルブランドの確立
  2. 世界有数の産地固有技術を活用した成長分野への進出
  3.  新市場の開拓により、産地製品の販路拡大
を行う動きが鯖江では見られました。

 

民間の取り組み

民間の動きとしては2003年に地元メーカー20社以上参加で産地統一ブランド「THE291(ザ・フクイ)」を立ち上げ、国内外への宣伝展開に乗り出しました。

また2011年には若手経営者が勉強会組織を立ち上げ、鯖江産地商品のブランド化に向けて動き出しました。

 

自治体の取り組み

自治体は地方創生の各種交付金を活用し、

海外の医療機器有力ディーラーや医師等が求める機能を持つ、産地のチタン微細加工技術を活かした

鯖江産医療機器」の試作開発を推進。

同様に「産地発スマートグラス」の試作発表で縁のできた複数企業のニーズを満たす技術開発を支援して、早期の受注獲得を目指しました。

また平成20年度から2年間、国の地方再生プロジェクト「地方の元気再生事業」の補助金を利用し、

後継者育成やオリジナルブランド力強化に取り組んでいます。

 

効果

鯖江の眼鏡は、高級ブランドとして世界的にも有名になりました。

(引用)

また医療機器分野への進出については、医療機器の海外有力商社との商談社数が伸び、海外医師における鯖江産手術器具の試用・採用件数増加といった成果も見られています。

 

まとめ

 

今回は、ものづくりが中心の都市に共通して見られたグローバル化という課題について、

眼鏡産業を中心に発展した鯖江がどのようにして取り組んでいったかについて、解説しました。

まとめ
  1.  鯖江は眼鏡産業を中心としたまちづくりに成功
  2. グローバル化で眼鏡産業の低迷
  3. 官民協働で鯖江ブランド確立に動く
  4. 鯖江の眼鏡技術は医療機器にも転用
  5.  鯖江の眼鏡は高級ブランド品として有名に

 

このような形で、伝統産業が直面したグローバル化に伴う危機を乗り越えて、新たなビジネスチャンスをまちぐるみで掴み取ったんですね!

実は、鯖江は、眼鏡だけじゃなくて、他の分野でも活発になっているんです!

中編は、ユニークな市長による、まちづくり改革について見ていきます!

 

本記事の参考文献

加藤 明 (2009)「眼鏡産地の盛衰 -福井県・鯖江市とイタリア・ベッルーノ産地比較のケース」
西田 亮介、小野塚 亮(2013)  「なぜ鯖江市は公共データの公開に積極的なのか  ――協働推進と創造的な行政経営、地域産業構造の変化の視点から」
国税調査(平成22年)
鯖江市統計書(平成28年12月8日最終更新)
鯖江市HP
取材・鯖江市役所職員の方

鯖江のメガネに興味を持った方は、こちらも覗いてみてください。

 




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